日経新聞
『AI投信、ただ今学習中』
という記事が掲載されましたので、記事を以下にまとめました。
◎好成績を期待された人工知能(AI)を用いた株式運用の成績がふるわない。
日経平均株価が年初来で2%安なのに対し、AIが運用する日本株投信の平均はマイナス8%。
AIの苦戦は実は日本株市場の側の変化を映しているかもしれない。
〇「AI投信」の定義は複数あるが
今回はファンドマネージャーなど人間の判断を介さず
AIがデータ分析や銘柄選びまで行う公募の投資信託、約20本を対象にした。
運用成績を比較して、気づくのは、
「不振ファンドが日本株で運用するタイプに集中していること。」
〇運用資産の大きい主要4ファンドはいずれも基準価格が前年比マイナス。
一方、米国株などグローバル株式に投資するものは、平均5%プラス。
AIは、企業に関する定性データや開示情報などを読み込んで解析、人が気がつかない相関関係を探し出す。
それがなぜ世界株には有効で日本株では機能しないのか?
要因① 分析情報
ファンドによって利用情報は異なる。
あるファンドは、金融情報サイトの投稿や配信ニュース、
電子商取引の売り上げなどのビッグデータを活用する。
また、あるファンドでは、株価や為替、金利、商品価値など約100種類の公開データに加え、
ポイント会社の購買情報も使い将来予測する。
要因② タイミング
同じ情報を活用しても時期によって成績は異なる。
2016年の設定以来好成績をおさめていたファンドが、今年に入り、成績の悪化が目立つ。
機関投資家の一部は、高速で株売買を行うAIを用い、好成績をあげている。
ただ彼らが使う情報は、注文状況を示す板情報やチャートの値動きなど。
AIは、短期は得意だが経済の変化や企業経営の先行きなど中長期の予測はまだ苦手とされる。
要因③ 経験則の変化
①、②とも重なるが、これまで日本株市場で有効だった中小型株式への投資が、
「必勝パターン」であったが、崩れているとの見立てもある。
今までは国内企業の業種ごとに何がかわれているかを見れば株価が予想できたが、
直近では外国為替市場や米国金利の影響が強まっている意見などもある。
これまで日本株市場の主役だった中小型株を中心とした割安株投資が優位性を失っている可能性も感じさせる。
最近なにかと話題のAIですが、まだ「万能」とはいかないそうですね。