皆さんの支払っている公的年金から運用されていることはご存知でしょうか?
私たちが支払った公的年金の一部は、『GPIF』という組織が運用・投資されています。
何に投資しているかというと以下の5資産になります。
①国内債権 ②国内株式 ③外国債権 ④外国株式 ⑤短期資産
そして、株価が下がると定期的に、以下のようなニュースが取り沙汰されます。
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の1~3月期の運用は17兆円前後の赤字になるとみられることが2日、民間エコノミストの試算で分かった。運用資産の半分を国内外の株式に投資しており、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な株安が響いた。四半期ベースで過去最大の赤字幅とみられ、2019年度全体でも8兆円前後の赤字になる見込みだ。
要は、みんなのお金を使って株式を投資して、失敗するとは言語道断ですよね。
また、今回コロナの影響による損失は8兆円前後になるそうです。
「そんな損失を出すのあれば、他の社会保障に充てるべき!」とも言いたくなります。
しかし、運用成果は断片的に見るのではなく、全体を見るべきです。
それではGPIFの過去の実績を見てみましょう。
2001年度に運用を開始し、そして、2019年度までの運用成果を以下の図に記載しました。
※詳細はGPIFのホームページへ
2001年度から運用を始めて、どうでしょうか。
20年弱で累積75.2兆円のプラスになっています。
2019年度だけでも、+7兆3000億円の収益を出しています。
また、「損失」という言葉が勘違いを生む表現でもあります。
株価が下がれば一時的に損失になりますが、株式を売却せずに株価が戻ってくれば損失は取り戻すことができます。
むしろ株価は下がったときほど、買い時です。
この時期に株数を買い足しておくと、株価が戻ったとき、大きな収益に繋がります。
つまり、何がお伝えしたいかというと、
損失が出たときだけGPIFは取り沙汰されるので、「GPIFは上手に運用していますよ」ということがひとつです。
そして、もう一つは、これが「個人の運用」にも当てはまるということです。
現在、NISAやiDeCoを中心に投資が盛んになりつつある時代です。
その中で、一時的な損失で、投資が怖くなり、投資を辞めてしまう方もいらっしゃいます。